202209/01
マイクロチップ 2022
令和元年に「動物の愛護及び管理に関する法律」が改正され、動物(ペット)に関わる様々な規則が変更あるいは義務づけされました。
そして今年の6月1日からは、マイクロチップ関連における変更も施行されました。
施行当初は様々な情報が飛び交い、かなり混乱をしていましたが、約3ヶ月が経ち大分落ち着いてきました。
この機会にマイクロチップ装着について、一度まとめてみたいと思います。
まず大きな変更点としては、「販売される犬や猫へのマイクロチップの装着・登録が義務化される」ことです。
それに伴い、「マイクロチップを装着した犬や猫を迎え入れた飼い主は、ご自身が飼育する動物として、所有者情報の変更登録を行わなければならない」ことにも注意です。
このあたりは新しく子犬・子猫をペットショップ等で購入してきた方々に関係する事項となります。
そして、動物病院に最もお問い合わせが多いのは、「以前から飼っている犬や猫に(またはペットショップ以外から入手した犬や猫に)マイクロチップの装着義務はあるか」という内容ですが・・・
回答としましては、「義務ではない」(努力義務)、です。
法律としてはこの解釈になります。
ただ、「個体識別」という観念や「迷子時の保護」のことなどを考えると、この機会に装着されることをお勧めします。
ここ最近懸念されている地震や台風・大雨などの自然災害の発生時や、盗難・事故に遭遇した場合などに、マイクロチップ情報が確認できることは非常に役立つと思われます。
また海外渡航の際には、ISO規格のマイクロチップ装着は必須となります。
では、まだマイクロチップ装着をしていないワンちゃんネコちゃんに装着をする際にはどんな流れになるのかを説明していきます。
まず、動物病院でマイクロチップを装着します。 ※当院での装着費用(証明書作成費込み):5,500円
これは診察室で無麻酔下にて行います(注射方式)。
装着後は「マイクロチップ装着証明書」を作成してお渡しします。
その後の登録は、飼い主様ご自身にて行っていただきます(装着から30日以内)。
a.環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」にアクセスして登録(義務)
b.日本獣医師会(AIPO)の「マイクロチップ登録申請システム」にアクセスして登録(努力義務)
※ a.の環境省への登録は義務ですので必ず行ってください(Webにて登録手数料:300円)
※ b.の日本獣医師会(AIPO)への登録は努力義務ですが、迷子になった際の照会はこちらの方が便利です(Webにて登録手数料:1,050円)
どちらもサイトのガイドラインに従って登録してください。
尚、既に(令和4年6月1日より前に)マイクロチップを装着済の場合に、環境省のデータベースへの登録を希望される際の移行方法は以下のようになります(Webにて登録手数料:300円)。
★当院でマイクロチップ装着を行ったワンちゃんネコちゃんの場合(AIPOへの登録は済んでいます):
装着・登録時にお渡しした「ライフチップデータシート(飼主控用)またはマイクロチップ登録申請書(飼育者控用)」に貼り付けてあるバーコードシールの読み取りが必要になります。
バーコード付き書類の控えが手元にない場合は、「バーコード作成サイト」でバーコードを作って使用してください(IDナンバーだけでは登録できません)。
登録手続きはやや煩雑になるため、不明な点があれば当院か、上記a.にアクセス後「お問い合わせ」より環境省に直接ご質問ください。
★当院以外でマイクロチップ装着を行ったワンちゃん・ネコちゃんの場合:
他動物病院やペットショップ(提携動物病院)等にて使用しているマイクロチップの種類や登録先は様々です。
まずは装着時の書類を確認し、不明な点は装着した病院や購入したショップ等にお問い合わせください。
~院長の個人的感想~
法律によって定められたマイクロチップに関する規定ですが、その登録方法や管理・運営の仕方にはまだまだ改善の余地があるように思われます。
マイクロチップ自体はとても有用なものだと実感していますので、登録先の一本化やその手続き方法の簡素化、そして迷子時の検索方法などをより利用しやすいシステムにして、ひいては装着率の向上に繋がることを期待しています。
※今回のブログは、令和4年9月1日時点の情報で作成しています(内容を一部簡素化してあります)