202309/06
ドッグフードを食べてくれない・・・
「ウチのコ、ドッグフードを食べない~」「オヤツばかり食べている~」という声をよく耳にします。
やはり、日々の食事は、健康な身体を作る大切なものですので、栄養バランスのとれた良質なフードを中心に食べてもらいですよね。
そこで、今回はワンちゃんの食事を中心にお話ししていきます。
※大前提として、ドッグフードは年齢にあったもので「総合栄養食」と表記されたものを選んでください。
できればドライタイプ(カリカリ)をメインに与えることをオススメします。
その容量は、開封後1ヵ月で食べきれるサイズのものを選びましょう。
●ドッグフードを食べない理由として:
①好き嫌い(偏食)、他に好きなものがある
②ストレス(精神的・身体的):環境の変化、季節の変化など
③ライフステージの変化:成長期の終了、老齢化など
④体質・性質:もともと小食
⑤何らかの疾患にかかっている
などが考えられます。
(⑤に関しましては、疾患によって対応が変わったり、獣医療的な検査や治療が必要となったりしてきますので、今回は省略します。)
まず①です。
多くの「ドッグフードを食べない」理由としては、この理由が一番多く考えられるかと思います。
「舌が肥えた」とか「グルメさん」などとも言い換えられますが、いわゆる「偏食」です。
根本原因としてはワンちゃん側ではなく、食事の与え方などに原因があることも多くみられます。
食べないからといって、他のフードやオヤツ、ヒトの食べ物を与えたりすることが多くありませんか?
特に一緒に過ごす時間の長い、室内飼育の小型犬がこの傾向にあります。
生活の距離が近いだけに、いろいろあげたくなるのも分かりますが・・・
飼い主様が(心を鬼にして)頑張ってください!
かと言って、オヤツなどをあげてはいけないわけではありません。
適量のオヤツ、ご褒美としてのオヤツ、またはトッピングなど、タイミングを見て上手に活用していきましょう!
(フードとオヤツの量が逆転したり、極端に偏ったりすることが問題となりますのでご注意ください)
★ 基本的な食事の与え方の1つとして、「メリハリ食事」をご紹介します。
まず1日のフード量を設定します。
それを2~3回に分けて毎日決まった時間に与えます。
その時に食べなかったり残っていたりしても、5~10分くらいで容器ごと片付けてしまってください(出しっ放しは良くありません)。
次の食事時間になったら、また1回分の量を与えます(その間は基本的にお水だけで大丈夫です)。
また食べなかったり残してしまっていても、5~10分で片付けてしまいます。
その繰り返しを1週間やってみてください。
ワンちゃんとの我慢比べになります(多くの飼い主様で3日ほどで諦めてしまう場合がみられます・・・)。
つまり、ワンちゃんに「この時間にこのゴハンを食べないと他には何ももらえないんだ(=今が食事の時間なんだ!)」と覚えてもらいます。
それができてきたら、上手にオヤツを与えていくのが好ましいでしょう。
※ただし、食事コントロールの途中でお腹が空きすぎて吐いたり、ひどい場合には低血糖に陥ったりしてしまうこともありますので、注意も必要です。その場合はご相談ください。
②のストレスに関しては、ヒトや同居動物などの出入り、または住環境の変化があったりすることで影響を受けてしまいます。
ワンちゃんはもともと群れや縄張りをつくって暮らす動物なので、そのあたりには敏感に感じ取ります。
新しく家に来たばかりの子犬などにも、十分に気を付けてあげましょう。
③のライフステージに関しては、成長期の子犬がガツガツとドッグフードを食べてたのにここ最近少なくなってきた、などということがあります。
これは成長曲線(スピード)が緩やかになってきている時期の、だいたい生後8~10ヵ月くらいでみられます。
成長過程におけることなので特に異常なことではありませんが、このタイミングでいろいろ与えてしまい、偏食が始まってしまうこともありますので要注意です。
また老齢になってくると、必然的に食べる量は減っていきます(ただし、痴呆症状・認知症が出てくると過食気味になります)。
④もともと体質的に小食なワンちゃんもいます。
なかなか対応が難しいですが、運動をしっかり行ったり、先ほどのメリハリ食事を上手に活用したり様々な方法を組み合わせてみてください。
犬種としては、特にトイプードルやチワワは小食の傾向があります(逆にパグやビーグルは食欲旺盛のコが多くみられます)。
また、手にフードを乗せて与えたりすることも、できるだけ控えてください。
次からはそれを待つようになってしまうコもいます。
手作りフードに関しては、ワンちゃんの栄養学をしっかりと理解した上で準備できるのであれば可能と思われます。
ですが一般的に(長い目で見ていくと)、やはりドッグフードの方が栄養バランスは維持しやすいです。
当然のことながら、食事はワンちゃんにとって生涯必要な物になります。
その食事の度に飼い主様がいろいろ手間と時間をかけて苦労を重ねていくことは、できれば避けたいものです。
出されたドッグフードをその場でガツガツと美味しそうに食べるようなワンちゃんに育ってほしいですね。
そうすると、フードを食べない時にはどこか体調が悪い、ということに早く気づくこともできます。
最後に、ネコちゃんの場合は・・・
ネコちゃんは「ちょこちょこ食べ(いわゆるネコ喰い)」といわれるように少しずつ食べるコが多いので、食事時間の設定はなかなか難しいところがあります。
ただ、ある程度は可能ですので、チャレンジしてみてください。
上手くいくと一度に食べてくれて、食欲の管理がしやすくなります。
ネコちゃんも上手に食事コントロールができて、健康管理がしやすくなると良いですね!
★ちなみに当院のネコたちは皆ゴハンをあげるとすぐに食べてくれるので、食事管理・体調管理がしやすいです。
年齢の高くなってきたコも多いのですが、このまま食欲旺盛に過ごして欲しいと願っています!