202308/22
学校ウサギのきなこちゃん(追記あり)
ウサギトレポネーマに感染している、きなこちゃん。
(体調の安定していた頃)
定期的な診察・継続的治療、学校の先生方による投薬や飼育場所の消毒など、1年前からの懸命な治療により、ずいぶんと回復してきて元気に暮らしていました。
ですが、この夏から急に病状が強く出てしまいました。
今回は特に鼻(鼻鏡)と眼(眼瞼)に強く炎症症状が出ており、鼻の穴(鼻孔)を塞ぐ形で炎症性過形成物ができてしまっています。
鼻呼吸がしづらいので口呼吸(開口呼吸)になっていて、とても苦しそうです。
体調も落ち込んでしまい、食欲元気もありません。
学校での投薬治療のみでは症状悪化を止められない可能性が考えられたため、当院にて入院治療を行うこととなりました。
(2部屋続きの入院室です)
入院してからも、何も口にしません・・・
そして、ジッとして動かない・・・
食べていないので、ウンチも数粒しか出ていません。
点滴や注射、内服薬、点眼等も行い、栄養分も補給しています。
鼻の周りは分泌塊を除去して消毒したので、少しだけ呼吸は楽そうになりました。
積極的に治療をしていますが、体力との勝負にもなりそうです。
なんとか回復して元気になってほしいものです。
がんばれ、きなこちゃん!
※ウサギトレポネーマ症
本症は別名ウサギのスピロヘータ症、兎梅毒とも呼ばれます。
病原体はスピロヘータの一種Treponema paraluiscuniculiであり、これはヒトの梅毒を引き起こすTreponema pallidumと近縁ではありますが、ウサギからヒトへの感染は起こりません。
交尾により感染が成立するので基本的には性病でありますが、多くの場合、母子感染により感染を受けた個体が潜在的に保菌し、若齢期に顔面(特に鼻・口唇)や陰部、肛門部に皮膚炎を発症します。
~追記~
きなこちゃんは、顔はキレイになり、呼吸も整って元気食欲も出てきたため、入院9日目に退院となりました。
ウサギトレポネーマ症は治りきる病気ではないので、引き続き学校の先生方と共に治療を継続していきます。