202101/21
注射用プロハート12
今回は、1回の注射で1年間の犬フィラリア予防ができる『プロハート』のお話をしていきます。
もともと犬フィラリア症はワンちゃんからワンちゃんへ「蚊」を介して感染(寄生)する病気ですので、基本的には蚊のいるシーズンに合わせて予防していきます(「予防診療」の「フィラリア予防」参照)。
当地域ですと、気温の関係から4月~11月の蚊が対象になります。
ですので、内服薬やスポット薬は5月~12月の8ヵ月間が予防期間になります。
(但し、近年の温暖化から予防期間を延長しようとする考えもあります)
フィラリア予防としての概念ができあがった50年ほど前は、予防期間に毎日予防薬を投与しなくてはいけませんでした(しかもあまりおいしくありませんでした)。
それが月に1回の投与でよくなり、さらには消化管内寄生虫やノミ・ダニにまで対応できるようになってきました。
投与形態としても錠剤・チュアブル・フレーバータイプそしてスポット剤と選択肢が増えてきています。
(液状の犬フィラリア症予防薬と称するノミモノは、日本国内で認可された薬ではありません!)
そんな中、20年ほど前に、注射で長期間のフィラリア予防ができるという画期的な薬:プロハートが開発されました。
ただ、最初に販売された注射は、6ヵ月間有効のタイプでした。
当院でも導入の検討をしましたが、必要予防期間に少し足りていないという点から見送っていました。
そして7年ほど前に現在の1年間効くタイプが発売されたことを機会に導入しました。
非常に便利で効果もしっかりある、いい予防薬です。
~~ プロハート注射剤の調合 ~~
メリットとしては、
●毎月の投与を忘れたり、遅れたりすることがありません
●投与する際の苦労がありません
●動物病院の混雑時期である春を避けて予防を開始できます
●1年間の効果があるので、蚊の出る時期や地域を気にしなくてすみます
などがありますが、少しだけ注意点もあります。
▲投与量を体重に合わせるため、成長期の子犬には接種できません
▲他の予防注射との同時接種はできません
▲体調の悪いときや高齢のワンちゃんには接種を控えます
▲毎年接種前には血液検査の必要があります
▲予防効果は犬フィラリアに対してのみであり、その他の寄生虫には効きません
以上のことをご理解の上で、この注射をお選びください。
当院でプロハートを接種できる期間は1月~5月下旬となります。
5月下旬はなくなり次第終了となりますのでお気を付けください。
1月~3月は「早割キャンペーン」を行っていますので、この機会を是非ご利用ください!
また、フィラリアの血液検査と同時にできる一般血液検査(春の血液検査キャンペーン)も行っております。
1年に1回の健康診断として、こちらもご利用ください!