202406/06
多頭飼育崩壊について
『多頭飼育崩壊』という言葉をご存知ですか?
犬猫等の動物を飼育している環境下において、飼い主の飼育許容範囲を超えて数が増えすぎてしまい、鳴き声や不衛生・悪臭、動物の逃走や徘徊などを発生させ、最終的には動物の健康までも脅かし、健全な飼育が不可能に陥っていることを意味します。
主な問題点としては
・不適正な飼養による犬猫の衰弱・死亡
・周辺住民の生活環境の悪化・生命への危害
などが挙げられます。
尚、(企業・業者を除く)一般家庭においては、猫の場合が多くみられます。
多頭飼育崩壊は、飼い主の精神状態や経済状況、所有権の問題などが複雑に絡み合うため、民間のみで速やかに解決に導くことは困難となります。
環境省が2021年3月に公表した「多頭飼育対策ガイドライン」においても、自治体内における社会福祉と動物愛護管理の多機関が連携して解決にあたること、そして、官民を超えた連携が重要であるとされています。
現在考えられる多頭飼育崩壊の予防・対応策としては
・対象の犬猫全頭の不妊手術
・広範囲での里親の募集
・個人での動物の導入や保護の制限
・届出(※)による状況把握や飼育意識向上
などが考えられるといわれています。
(※)上記の届出に関してですが、2024年4月より愛知県(一部地域除く)でも「動物の愛護及び管理に関する条例」の一部改正が行われ、「犬や猫を合わせて10頭以上飼う方の届出が義務化(生後90日以下の場合を除く)」が導入されました。
10頭を超える飼育頭数というと、一般的には全頭に目が届きにくくなりますね。
届出の提出・相談は、管轄の動物愛護センターへお願いします(刈谷市は本所となります)。
確かに多数の動物たちに囲まれて暮らすことは、ある意味憧れでもあります。
ただ、そこに深い愛情とともに適切な管理が伴わなければ、結果的に人も動物も不幸になってしまいます。
皆が幸せに、そして快適に暮らせるように、しっかりと飼育環境について考えてみましょう。