202107/10
熱中症にご注意!
最近はずいぶん暑くなってきましたね。
この季節(梅雨~残暑時期)には熱中症になりやすので、十分に注意してください!
<ワンちゃんネコちゃんは、汗をかいて体表より体温を逃がすことができないので、より熱中症の危険性が増します!>
熱中症とは・・・
「暑熱により生体機能が著しく障害を受けた状態」もしくは
「脳障害を主とした多臓器不全を伴う全身炎症性反応を引き起こす高体温状態」
と定義されます。
病態の程度にもよりますが、致死率は50~56%とも言われています。
また何とか回復したとしても、重い後遺症を患うこともあります。
<症状>
・息が荒い
・体温が高い
・ぐったりする
・元気食欲減退・下痢・嘔吐・痙攣・不整脈など・・・
・ネコちゃんが口を開けて息をする(開口呼吸)
上記のような症状が見られる場合は、早急に病院にご連絡ください!
※暑い日の昼~夕方や、日中お出かけをして帰宅後~夜などに起こりやすいです
<分類>
1.軽度(熱痙攣):体温正常、軽度脱水状態
2.中程度(熱疲労):40℃以下の体温上昇、無気力、衰弱、嘔吐、下痢、過度のパンティング(過呼吸)
3.重度(熱射病):41℃以上の高体温、中枢神経症状(昏睡・痙攣・虚脱など)、血様嘔吐、メレナ(黒色タール便)、全身性ショック、不整脈
<対応>
とにかく早期対応が大切です!
特に中程度以上の熱中症では生死に関わることが多いので、すぐに冷却処置を行ってください!
・涼しい場所への移動
・水が飲めるようなら水を飲ませる
・体を濡らして(ホースやバケツで水をかける)、風に当てる(扇風機などを使用)
・氷や保冷剤などを首や脇、内股(血液が集中する部位)に当てて冷やす
★冷却目標体温:39.4℃ (体温計を肛門に入れて測ってください)
※氷水や冷たすぎる水に入れないで!:体表面の血管が収縮したり、シバリング(筋肉の振せん)が起こり、却って体温を下げにくくなります
⇒⇒⇒ 冷やしすぎに注意!:体中心部温度の低下は、体表温度の低下よりも遅れて起こるため、体表の冷却を中止した後も中心部温度は下がり続けてしまいます。
冷却処置をしながら、早急に病院に連絡をしてください!
ある報告によると、病院に来るまでに冷却処置が実施された場合の致死率が19%なのに対し、実施されなかった場合の致死率は49%にもなってしまうというデータもあります。
病院に向かう際も、できるだけ冷やしながらご来院ください。
<予防>
・屋外にいるワンちゃんには、風通しが良く、日陰で過ごせるような環境をつくりましょう
・ワンちゃんのお散歩は、早朝か夜間にしましょう(アスファルトなどに熱が残っていることもありますので気をつけてください)
・運動した後や興奮した後には、しっかりとクールダウンさせましょう
・室内での留守番時にはエアコンをつけましょう(設定温度は24~26℃くらいがおすすめです)
・いつでも新鮮な水が飲めるようにしておいてください(複数の水飲み容器をご用意いただくと安心です)
・クールマットやクールネックなどの冷却グッズを上手に活用しましょう
※お出かけ時に車内に単身で待たせることは、(エアコンがかかっていても)絶対に避けてください!
<要注意犬種は・・・>
特にパグやシーズ、ブルドッグ(フレンチブル)などの短頭犬種は上部気道が狭いため、より注意が必要です。
熱中症になるワンちゃんの約25%が短頭犬種といわれています。
また、太り過ぎや栄養不足は重症化のリスクとなりますので、普段からの健康管理もしっかりしていきましょう。
熱中症は、ヒトでも毎年たくさんの方が発症し、亡くなってしまうこともある恐ろしい病気・病態です。
対策をしっかり行って、暑い夏を乗り切りましょう!
~追記~
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