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202108/05

SFTS

新型コロナウイルス感染症の流行の影に隠れてしまっていますが、SFTSという病気が近年問題になっていることをご存じですか?

(中日新聞 2021年8月4日)

マダニが媒介する人獣共通感染症で、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)という病態を引き起こすウイルス(ブニヤウイルス科フレボウイルス属)が原因となります。

主に西日本を中心に発生していましたが、今年7月には愛知県での初の報告が半田市でありました。

 

感染経路としては、

① SFTSウイルスを保有するマダニに咬まれると感染

② SFTSウイルスに感染した犬や猫に咬まれたり、血液・唾液・尿・便などの体液および排泄物に直接触れることで感染

があります。

・・・①に関しては、主に農作業をされる方や、山や森によく入られる方などが注意対象となりますが、

実はマダニは身近なお庭や公園などの草むらにも生息していますので、気を付けてください!

また屋内飼育でない外猫(外飼い猫・地域猫・野良猫)がマダニに寄生され感染を受けてしまうことも多いです。

・・・②に関しては、主に(①の感染を受けた)外猫から人へうつることが確認されています。

2018年に宮崎県で獣医師と動物看護士が外猫の治療中に感染してしまったという報告は、大きな衝撃でした。

 

※ 今年の6月に(公社)静岡県獣医師会から発刊された、開業獣医師向けの「SFTS感染動物対応マニュアル」を私たちも参考にさせてもらっています。

 

★ SFTSの致死率はかなり高く、

・人・・・20~30%

・犬・・・29%(不顕性感染が多く、発症しなくてもウイルスを排泄する恐れがあり)

・猫・・・60~70%(感受性が高く、重症化しやすい)

となっています。

 

感染から発症までの潜伏期間は6-14日です。

症状としては発熱、胃腸症状、黄疸、神経症状、リンパ節の腫れなどがあります。

また白血球や血小板が減少し、重症化すると全身疾患・多臓器不全になって命に関わってきます。

 

◎ もしマダニに咬まれたら・・・

数週間は体調の変化に注意し、発熱等の症状が認められた場合は、各医療機関で診察を受けてください。

確立された治療法がないため、普段からの予防対策が重要となってきます。

 

★ とにかくマダニに寄生されないように注意すること、これが大事です!!

・人・・・忌避剤(虫除け剤)を使用する。野外では肌の露出を少なくする。

・犬猫・・・マダニ駆除薬の定期的投与。散歩後にはマダニのチェックをする。

 

犬猫だけでなく人にも重大な被害をもたらす、おそろしいSFTS。

しっかりと予防対策をとって、かからないようにしましょう!

 

※ワンちゃんネコちゃんのマダニ予防に関しては、7月20日のブログ「ノミダニの予防」をご覧ください。

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