202403/25
SFTSの「ヒト-ヒト感染」が報告されました
以前もブログにてSFTSについての話をしましたが、今回新たな感染についての報告がありましたのでお知らせします。
ヒトへのSFTS(重症熱性血小板減少性症候群)の感染経路は主にマダニの直接刺咬ですが、SFTSに感染した猫や犬からも感染することがあるとされていました。
そんな中、SFTSに感染した患者(ヒト)から医師(ヒト)へ感染したという報告が日本で初めてされました(海外では複数報告されていましたが、国内では初めての感染事例です)。
国内におけるヒトでの発症後致死率は27%といわれています(猫での致死率は60~70%、犬では29%となっています)。
今回のケースでは、猫や犬などの動物は関与していないようですが、とても恐ろしい感染症が広がりつつあると感じました。
愛知県内でもヒトや猫で感染の報告があります。
根本的な原因はマダニが媒介するSFTSウイルスですので、第一に考えることは、マダニの刺咬を防ぐこと、です。
そこで、猫や犬もマダニの予防をしっかり行うことにより、
①マダニをヒトの生活圏に持ち込む機会を減らすこと
②猫や犬にマダニの寄生をさせないこと(SFTSに感染させないこと)
が大切なこととなります。
(とにかくマダニに注意!)
外に出ていくネコちゃんや散歩帰りのワンちゃんは、特に気を付けてください。
しっかりと定期的な、あるいは通年のマダニ予防を実施しましょう。
◎当院で扱っているマダニ予防薬としては以下の薬があります。
・ネコちゃん・・・レボリューションプラス、ネクスガードキャットコンボ、ブラベクトプラス猫用、フィプロスポットプラスキャット
・ワンちゃん・・・クレデリオ・クレデリオプラス、ブラベクト錠・ブラベクトスポット、フィプロスポットプラス、ネクスガードスペクトラ
ネコちゃんはすべてスポットタイプで、ワンちゃんはスポットタイプと内服タイプが選べます。
またネコちゃんワンちゃんのどちらにも対応できるものとして、フロントラインスプレーがあり、生後2日齢から使用可能です。
★上記予防薬の効能として、マダニだけではなくノミやフィラリア、内部寄生虫等に効果のあるものもあります。
また有効期間も1ヵ月間や3ヵ月間のものなど、様々な種類があります。
マダニの発生は年中認められていますが、特に春から秋に見かけることが多くなっています。
この時期は集中的にしっかりとマダニ予防を行い、SFTSの感染・広がりを少しでも防ぎましょう!
(ホルマリン漬けになった吸血後のマダニ♀)
※2021年8月5日の当院ブログ「SFTS」もご参照ください